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ブ リ

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お魚屋さんのメッセージ
寒くなるとドンドン脂がのって、おいしくなる縁起の良い魚、栄養価も高いよ!

ブリの概要と特色
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💠 ブリは、成長するに従って以下の様に呼び方が変わる(地域で異なる)縁起の良い出世魚として昔から色々な料理で食べられてきました。
💠 関東
ワカシ(15~30cm)➠イナダ(30~50cm)➠ワラサ(50~60cm)➠ブリ(60cm以上)
💠 関西
ツバス(15~40cm)➠ハマチ(40~60cm)➠メジロ(60~80cm)➠ブリ(80cm以上)
💠 もともとブリの養殖は、西日本で盛んで、40~50cmほどの大きさの養殖物をハマチとして関東へ出荷していたため、関東では養殖物=ハマチと言う時代がありましたが、近年は成長させてブリとして出荷するのが一般的になっています。
出荷量は、養殖ものは、鹿児島県が最も多く、大分県、愛媛県が続きます。
天然ものは、長崎県が最も多く、北海道、千葉県が続いています。(2022年)
全体的に養殖と天然の割合は、5:5ぐらいで毎年変動していますが、ブリ養殖は海面養殖業の中で国内最大の生産量となっています。
💠 養殖ものと天然ものの味の違いは、一概には言えず、養殖の仕方や天然ものも産地、漁獲時期などで味わいが違い、特別な方法による養殖や産地、漁獲時期を特定したブランドブリなどブリの品質・味は、それぞれ異なります。
概して、天然物の方が身が締まっていて、脂の乗り具合は、天然ものは時期によりますが、養殖ものは、一年間を通じて安定しています。
💠 旬は、天然ものの脂の乗りの良い「寒ブリ」の季節(12~2月)となります。
養殖ものブリは、技術の進歩により、年間を通して品質の良いものが出荷、流通しています。

ブリの御三家
アジ科の大型回遊魚であるブリ、ヒラマサ、カンパチは、「ブリ御三家」と呼ばれ釣り魚として人気があります。
ブリ以外のヒラマサとカンパチも、養殖もされていますが、生産量は少なく、特に、天然ものは、漁獲量は少なく、高級魚となっています。
💠 ヒラマサ
御三家の中では、最も大きくなる魚で、又、最も脂肪が少なく、アッサリとしていて、独特の風味があり、身が引き締まって、コリコリとした食感で、歯ごたえがあります。
冬が旬のブリとに対して、ヒラマサの旬は6~8月の初夏から夏が旬で、夏場の寿司種としてシマアジと並んで人気が高くなっています。
💠 カンパチ
御三家の中では、ヒラマサの次に大きくなる魚で、ヒラマサ同様に脂が少なく、身が引き締まっていて、ヒラマサに比べるとさらにアッサリとしています。
養殖も含めて漁獲量が少なく、ブリやヒラマサより漁獲量が少ないこともあって、特に8~11月が旬の天然ものは高級魚として珍重されます。

ヒラマサ ブリ カンパチ
切身の選び方
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弾力があって、身が割れていないもの
血合いの色が鮮やかな赤のもの
※ 黒ずんでいるものは、鮮度が落ちています。
身に白いサシがはいっているもの

腹身 背身
腹身と背身
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💠 腹身 ➠脂のうま味を味わう
💠 背身に比べ脂がのっていて、こってりとした濃厚な味わいです。
💠 やわらかく、脂が多い部分は口の中でとろけるような食感を楽しめます。
💠 刺身・ブリしゃぶ・照り焼き・塩焼きに向き、刺身はとろりと濃厚な脂のうま味を楽しめ、焼きものは、ジューシーな仕上がりになります。

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💠 背身 ➠身のうま味を味わう
💠 脂が少なめで、あっさりとした味わいで、その分、魚本来のうま味をより感じられると言われています。
💠 身が締まっていて歯ごたえがあります。
💠 ぶり大根などの煮つけに向き、身が締まっているため 煮崩れしにくく、脂が少なめな分、煮汁が 脂っぽくならずさっぱり とした味わいになります。
ブリの養殖と天然
💠 ブリについては、養殖ブリの方が天然ブリより価格が高いことがよくあります。
養殖ブリはエサ代と種苗(稚魚)の経費が大きく、又、近年はエサ代が高騰しています。
💠 養殖ブリと天然ブリの食味の違いは、身の質感・味と脂の乗りです。
天然ぶりは身にハリがあって、食べ応えがある身をしています。
脂もくどくなく、あっさりとして、さっぱりと食べられ、小魚がエサのため、魚特有のうま味があります。
💠 一方、養殖ぶりはホロホロと柔らかい食感で、とろけるような身質をしています。
身全体にしっかり脂が乗っていて、切身は白っぽいのが特徴です。
エサに柑橘類を混ぜたものなど、エサの改良が目覚ましく、魚臭さがなく、香りや味が良くなっています。
味わいの違いの大きな要因は、身の脂の含有量です。
💠 天然ブリで脂の含有量は15%前後と言われていて、その脂の加減が、身の味わいといい具合に絡まるのが天然のブリの持ち味です。
片や養殖ブリの脂の含有量は25%前後と言われ、この脂の具合が強すぎると感じる方もいますが、多くの方が、甘味とうま味を強く感じるようです。
💠 天然ぶりは、寒さが深まるにつれて脂が乗ってきて、最も寒さが深まる1月においしさのピークを迎えます。
そこから春に向けて、徐々に脂が落ちてきて、産卵期を迎える春には、卵に体の栄養をもっていかれ、身もスカスカになってしまいます。
養殖ブリはエサや成長段階をコントロール出来るため、年間を通して、安定した味わいが魅力で、程良い身質と脂の乗りをいつでも楽しめます。
💠 天然と養殖のどちらが良いかは、味の好みによりますが、旬の時期の天然ブリの味は格別で、秋から冬にかけて、脂がのってきたタイミングで、安いブリがあれば、お買い得です。
それ以外の春から夏にかけて、天然ブリの味が落ちる時期は、養殖ブリを選ぶことで、安定した味を楽しむことができます。


鮮魚の締め(〆)方野締めと活け締め
💠 魚は漁獲後、暴れたりストレスを感じる状態が長く続くほど、うま味成分であるイノシン酸の元となるATPAが消費され、“疲れた身”になっておいしくなくなります。
さらに、血抜きをしないと腐敗や臭みの元になります。
そのため、魚種によっては、締め方(殺し方)によって、味に大きな差が出ます。
💠 締め方は、大きく、「野締め(野〆)」と「活け締め(活〆)」に分かれます。
野締めは、サバやイワシなど大量に獲れる魚で、手間をかけずに締めることが必要な魚に使われ、通常、網から揚げて、氷水に浸けて、そのまま手をかけずに締めることを指します。
野締めの場合は、体中に血液が回り、身の中に残り、又、内臓が痛むのも早くなってしまいます。
💠 一方、活け締めは、産地で、生きている魚を一匹ずつ、暴れないように包丁、手などで即死させ、さらに血を抜く方法で、以下の効果があり、ブリやタイなどの大型魚や養殖の魚で行われます。
魚が暴れなくなるため、うま味の元となるATPの消費が防げ、乳酸などの疲労物質が蓄積されなくなるため、味の劣化が防げ、死後硬直を遅らせ、腐敗を抑制でき、血液を抜くことで微生物の繁殖を減らし、臭みと腐敗を抑制できます。 
ヒラメの活き締め アジの野(氷)締め
ブリの健康効果
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💠 赤身魚(青魚)のブリに含まれる主な栄養素は、オメガ3系不飽和脂肪酸であるDHAとEPAで、魚介類でもトップクラスです。
~日本人に不足するオメガ3系脂肪酸~
● EPA(エイコサペンタエン酸)
とDHA(ドコサヘキサエン酸)
💠 日本人の食生活における課題として摂取すべき脂質の中で不飽和脂肪酸のバランスが大幅に崩れていることがあげられます。
健康を維持するためには、不飽和脂肪酸の中でオメガ6系とオメガ3系のバランスは、4:1が適正とされますが、現状は10:1以上となっています。
そのため、オメガ3系のα-リノレン酸を豊富に含むえごま油とアマニ油が人気となっています。
💠 魚介類に豊富なEPAとDHAはオメガ3系の不飽和脂肪酸ですが、魚を食べることが減った現在において、意識して摂取する必要があります。
EPA、DHAともに血液の凝固を抑え血栓を予防する血液サラサラ効果と中性脂肪やコレステロール値を下げる効果以外に、DHAには脳や目の網膜の材料にもなるため、脳の活性化や視力回復が期待できます。

➊ 現状 ➋ 適正 ➌ オメガ6系 ➍ オメガ3系
料理のヒント
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💠 脂肪分の多いブリは、うま味が豊富な一方、血合いやぬめりが多く、料理する場合、魚の臭みを抑えることがポイントなります。

ブリの臭み消し(下処理)
💠 振り塩 + 霜降り
➊バットにブリをのせて全体に塩をふり、10分程おいてキッチンペーパーで水気をふきとります。
※ 塩の量は、ブリの重さに対して約1%とします。
➋熱湯にブリを5秒ほど入れて取り出すか、ボール に入れたブリに、熱湯を回しかけるかして、ザルに上げて湯を切り、直に冷水に入れて優しく血合いやヌルッとした部分を手できれいに取り除いた後、 水気を切ってキッチンペーパーで水気を拭き取ります。
※ 長く茹ですぎるとブリがパサつきます。
💠 振り塩 + 酒洗い
➊ブリに裏表まんべんなく塩を振った後、酒を振り かけ、冷蔵庫に10分前後置きます。
➋水道水で優しく洗いキッチンペーパーで水気を 拭き取ります。

臭み消し(香味野菜)
💠 ブリの臭み消しには、ショウガが定番ですが、生がない時は、チューブタイプのものでも効果を発揮します。
