マグロ

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 お魚屋さんのメッセージ

他の魚では味わえない酸味・うま味・甘味がしょう油にピッタリ
世界中の人が愛する刺身・寿司の代表
THE WORLD SASHIMI

 

 

 

 

 マグロの概要と特色

 

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💠 日本人は、 世界一マグロを食べていて、世界の漁獲量の約半分を消費し、年間を通じてサケとともに最も身近な魚となっています。
💠 マグロの国産(日本船漁獲物及び養殖)の割合は約5割でその他の5割は台湾・中国・韓国・オ―ストラリア・地中海沿岸等から輸入されています。
特に近年は養殖(含む畜養)ものも増加し、高級なクロマグロ・ミナミマグロの多くは、国内外で養殖されたものとなっています。
💠 国内で食べられるマグロは、次の5種類です。
「メバチマグロ」「キハダマグロ」「ビンナガマグロ」「クロ(本)マグロ」「ミナミマグロ」
一般的に大トロがあるのは、クロマグロとミナミマグロとなります。
           ※ マグロの種類別国内流通量

➊ 本(クロ)マグロ ➋ ミナミ(インド)マグロ ➌ メバチマグロ ➍ キハダマグロ ➎ ビンナガマグロ

 

💠 マグロは、大半が冷凍で流通しますが、一部近海ものが旬の時期に生マグロとして入荷し、その時期だけに味わえる旬の食材となっています。
💠 通常、遠洋で水揚げされたマグロはすぐに内臓処理され、2年以上の鮮度保持を前提に-60℃以下で急速凍結、-55℃以下で保存され、さらに国内でも超低温(-50℃以下)で流通され、店舗に着くまで獲れたての状態でほとんど鮮度は落ちません。
マグロは超低温で保存しないと鮮度劣化が早く、従って家庭での長期冷蔵保存はできません。

💠 マグロは、高タンパク低脂肪のヘルシー食材で特に赤身には、良質のタンパク質に加え、疲労回復効果があるビタミンB1と貧血予防となる鉄分が豊富です。

 

 

 

マグロのおいしさ

 

https://blog-imgs-163.fc2.com/s/i/t/sitteimasuka/ringo2.png マグロの赤身には、他の魚にはない鉄分が含まれ、かすかに鉄っぽさのあるさわやかな香りがし、酸味・うま味・甘味が混ざり合ったマグロ特有のおいしさがあります。
トロはここに脂が加わることでさらに甘味が増えて、複雑でまろやかな味になっています。
💠 マグロは種類によって味の特徴があり、うま味の強いマグロ、酸味の強いマグロ、あまり味の特徴のないマグロなど様々で、又、脂肪の多い少ないでも味わいは変わってきます。
💠 マグロは、特にしょう油、酢飯、ワサビに合い、それは、マグロの酸味や脂肪の風味が、白飯よりも、すし飯と一緒に食べることで弱く感じられることによると言われています。
https://blog-imgs-170.fc2.com/j/o/f/joflinkinc/magu3.pngさらに、本マグロやミナミマグロなど大型の高級マグロは牛肉同様に熟成(エージング)することでうま味成分(イノシン酸)と脂肪の甘味が増すため多くの寿司店では熟成させ、味のタイミングを見計らって提供されます。

 

 

 

 主なマグロの種類と特徴

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メバチマグロ

💠  特徴
💠 最大で体長2m・体重150kg
 バチ・ダルマなどとも呼ばれます。
名前の通り目が大きいのが特徴です。
💠  関東を中心に全国的に刺身では最も多く食べられているマグロで、身が鮮やかに赤く、赤身・中トロが多く、まれに大トロが取れることもあります。
💠  身質が柔らかく、クロマグロ・ミナミマグロに比べると脂肪が少ないため、サッパリした味わいですが、赤身・中トロもおいしく、漬け(ヅケ)にも向いています。
💠  冷凍ものは世界中の海の赤道付近で水揚げされ、一年中売場に並びます。
 天然ものの流通は少なく、春と秋に旬の生マグロとして売場に並びます。

💠  主な用途
刺身・寿司・漬け・カルパッチョ・照り焼き・カマ焼き・味噌漬け・ツナ缶原料
※クセがないため万能に使われます。

 

 

 クロマグロ(本マグロ)
💠  特徴
💠 最大で体長3m・体重350kg以上
本マグロとも呼ばれます。
30~60㎝の幼魚はメジと呼ばれます。
💠 肉質はマグロの中でも最も優れており、大トロが多く、程よい酸味とうま味がある高級マグロの代表です。
💠 養殖もの(国内外)の割合が7割以上で、卵からの完全養殖も始まっており、今後の拡大が予想されます。
💠 幼魚のメジを除く天然ものは少なく、天然の大型マグロの産地としては、大間(青森県)や戸井(北海道)が有名で毎年、正月の初セリが話題となります。
💠 冷凍ものは一年中売場に並びます。
旬(生)は、冬となります。
💠  主な用途
刺身・寿司・照り焼き・たたき(ネギトロ)・あぶり焼き(レアステーキ)など

 

 

 キハダマグロ
💠  特徴
💠 最大で体長2m・体重200kg
ヒレが黄色みを帯びているのが特徴です。
大阪では、本ハツと呼ばれ、産地の近い関西で人気のマグロです。
💠 肉は薄いピンク色で、味にクセがなく、サッパリしていて、身質が硬めで刺身にしやすく、色変りが遅いため、夏のマグロとして、生がおいしいマグロです。
💠 冷凍ものは一年中売場に並びます。
旬(生)は、初夏~秋となります。
💠  主な用途
刺身・寿司・カルパッチョ・ツナ缶/魚肉ソーセージ原料など

 

 

 ビンナガマグロ
💠  特徴
💠 最大で体長1.2m・体重40kg
💠 ビンチョウやトンボとも呼ばれます。
💠 小型のマグロで胸ビレが細長く、肉は薄い乳白色で、身質が極めて柔らかく、主にツナ缶の原料となります。
💠 海水温度の低い特定の漁場や秋~冬に漁獲されたものはトロビンチョウや ビントロと呼ばれ、モチっとしていて、上品な脂肪が口の中でとろける食感で寿司ネタとして人気です。
💠 冷凍ものは一年中売場に並びます。
▹旬(生)は、秋から冬となります。
💠  主な用途
刺身・寿司・カルパッチョ・照り焼き・ツナ缶原料など

 

 

 ミナミマグロ
■ 特徴
💠 最大で体長2m・体重150kg
インドマグロとも呼ばれます。
南半球で漁獲されるマグロで、形・味ともにクロマグロに似て、クロマグロに次ぐ高級マグロですが、流通量が少なく(本マグロの1/3)なっています。
💠 肉質は、濃い赤色で固く締まっていて、クロマグロ同様の大トロも多いマグロで、酸味とうま味が特徴のクロマグロに対してミナミマグロはクセのない甘味が特徴と言われています。
💠 天然ものは少なく、オーストラリアからの養殖(畜養)ものが主流となっています。
💠  主な用途
刺身・寿司・照り焼き・たたき(ネギトロ)・あぶり焼き(レアステーキ)など

 

 

 

 

マグロの部位

 

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マグロは部位として、背中の部分の赤身と腹の部分で脂肪を含むトロに大きく分けることができ、部位ごとに味の違いを楽しめます。

 

➊ 赤身(背節カミ) ➋ 赤身(背節ナカ) ➌ 赤身(背節シモミ) ➍ 大トロ(腹カミ) ➎ 大トロ・中トロ(腹ナカ) ➏ 中トロ(腹シモ) ➐ 中落ち ➑ カマ

 

 

 赤身
一番多い部位で脂肪が少なく、身が引き締まって、モッチリとした食感で、水分が多くマグロ独特の食感とうま味を味わえます。
脂肪が少なくヘルシーな部位ですが、取った部分により、スジの入り具合、色合いに違いが出ます。
刺身や漬けだけでなく、カルパッチョ・ポキ丼・サラダなど万能に使えます。

 

 中トロ
赤身と脂肪のバランスがとれていて、赤身のうま味と脂肪の柔らかい食感を楽しめます。
取った部分により、脂肪の入り具合にバラつきがあります。
あぶって(レアステーキ)食べるのもお奨めです。

 

 大トロ
本マグロ・ミナミマグロから取れ、脂肪が豊富に含まれていて、フンワリとした口どけのよい食感と、うま味・甘味の強さが特徴です。

 

 

 

 中落ち
中骨のまわりについている残りの部分で脂分が多く含まれ、独特のうま味があります。
ネギと合わせるネギトロが定番です。

 

 

 

 

 赤身の選び方

 

 

 

 色が良いもの
(おいしそう、透明感がある)

◆ 鮮やかに発色している。
※ 色が食欲をそそります。

💥 黒く(又は緑色)に変色してないもの
 ※ 鮮度劣化の確認

💥 白くなっていないもの
※ 冷凍焼けの確認

 

 

 

 ドリップの出ていないもの
 ※ ドリップは解凍時に流出し、その中にマグロのうま味・栄養分が凝縮しています。

 

 

 

 

 

 

 身に張りと弾力があるもの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  切口の角が立っているもの
 ※ 時間が立つと角が丸くなります。

 

 

 

 

 

💠 サクの場合

 スジの少ないもの・スジの入り方
※ スジは固くて噛み切れず、口に残り、味を損ねます。

【以下は一般的な基準】 *各社で異なります。

最高品      良品      並

 

 

 

 

 

   黒い斑点(血の塊)が少ないもの

 

 

 

冷凍のサクは、カチカチの状態だと白っぽく見えるので、脂肪と勘違いしないようにして下さい!!

 

 

 

 

 

 

 お刺身は、切り立てが一番!

 

   💠 おいしい刺身の条件 💠

 

 ➊  色(鮮やか)
 ➋  ドリップなし
 ➌  スジが少ない
 ➍   身に弾力がある
 ➎  角が立っている
 ➏  黒い斑点がない

 

 

 

 

 

 

 

 

冷凍マグロの解凍方法

 

💠 なるべく時間をかけず急速に解凍し、ドリップの流出を抑えることがポイントです。
冷蔵庫での自然解凍は、時間がかかり、ドリップの流出が多くなるため、お薦めできません。

 

💠 以下は手軽でありながら、できるだけ風味や味を損なわないプロお奨め解凍方法です。

 

【 温塩水解凍の方法 (マグロサク200gの場合】

1️⃣ 温塩水の準備
 約40℃の温水1ℓに対し、塩を大さじ2杯(40g)を加え、温塩水(4%)を作ります。

 

2️⃣ 表面を水洗い
流水で表面をサッと(3秒)水洗いし、削りカスや表面の汚れを洗い流します。

 

3️⃣ 温塩水で半解凍
サクを温塩水の中に約1~2分を目安に浸け、表面が溶けて芯はまだ凍っている(半解凍)状態にします。
  ※ サクの大きさや溶け具合により調整します。

 

4️⃣ 水気を拭き取った後、冷蔵庫で全解凍半解凍したサクの水気をペーパータオルなどでしっかり拭き取ります。
その後、冷蔵庫に入れて約1~2時間で全解凍します。
  ※ 冷蔵庫内で冷気にあてることで発色します。

 

 

 

 

 

余ったマグロの簡単有効活用

 

 

💠 その日中に食べきれなかったマグロを翌日においしく食べる一番簡単な方法は、タレなどに漬けて冷蔵庫で保存し、漬けやマリネなどにすることです。
     
💠 マグロの漬け(丼)

 

通常 漬け込み時間の目安は1時間程度ですが、翌日以降用に一昼夜漬け込むため、調味料の中でしょう油の分量を減らします。(約半分)
めんつゆ(原液)を使う場合は薄めます。

 

 

💠 ポキ(丼)

 

 

漬け用に漬けたマグロにアボカドなどの具を追加し、ゴマ油などをかけると簡単にハワイ風のポキとなります。

 

 

💠 マリネ
玉ネギなど一緒に漬けと同じようにオリーブオイルとワインビネガーなどで漬けるとマリネになります。

さらに、本マグロやミナミマグロなど大型の高級マグロは牛肉同様に熟成(エージング)することでうま味成分(イノシン酸)と脂肪の甘味が増すため多くの寿司店では熟成させ、味のタイミングを見計らって提供されます。

 

 

 

 

 

マグロの健康効果

 

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💠 マグロは、種類や部位によって含まれる栄養素の量は異なりますが、全体として赤魚に豊富で現代人が日頃不足気味でその摂取が薦められるオメガ3系不飽和脂肪酸であるDHAEPAが多く、中でもDHAの含有量は魚介類の中でもトップクラスです。
💠 EPA、DHAともに血液の凝固を抑え、血栓を予防する血液サラサラ効果と中性脂肪やコレステロール値を下げる効果以外に、DHAには脳や目の網膜の材料にもなるため、脳の活性化や視力回復が期待できます。

 

 

 

 ~日本人に不足するオメガ3系脂肪酸~
● EPA(エイコサペンタエン酸)
とDHA(ドコサヘキサエン酸)

 

 

💠日本人の食生活における課題として摂取すべき脂質の中で不飽和脂肪酸のバランスが大幅に崩れていることがあげられます。
健康を維持するためには、不飽和脂肪酸の中でオメガ6系とオメガ3系のバランスは、4:1が適正とされますが、現状は10:1以上となっています。
そのため、オメガ3系のα-リノレン酸を豊富に含むえごま油とアマニ油が人気となっています。
💠魚介類に豊富なEPAとDHAはオメガ3系の不飽和脂肪酸ですが、魚を食べることが減った現在において、意識して摂取する必要があります。
EPA、DHAともに血液の凝固を抑え血栓を予防する血液サラサラ効果と中性脂肪やコレステロール値を下げる効果以外に、DHAには脳や目の網膜の材料にもなるため、脳の活性化や視力回復が期待できます。

➊ 現状 ➋ 適正 ➌ オメガ6系 ➍ オメガ3系 

 

 

 

赤身魚・青魚・白身魚

💠 魚は大きく「赤身魚」「青魚」「白身魚」に分かれ、それぞれに特性があり、その特性に合った方法で調理することによって、その魚本来のおいしさを引き出すことができます。

 

 

  マグロ・カツオ・ブリなど
回遊魚でずっと泳ぎ続けているため、白身魚に比べ、肉質がしっかりしていて、脂があり、うま味が強い一方、脂肪分や血合が多く、加熱すると身が硬くなります。
青魚も含めて赤身魚は、日本人に不足するオメガ9系の不飽和脂肪酸のEPAとDHAを豊富に含んでいます。
【調理のポイント】
加熱する料理では、柔らかく仕上げるために、素材を柔らかくする砂糖と酒を少し多めに入れます。

 

 

 アジ・イワシ・サバ・サンマなど
赤身魚の中で、背が青く、小型の近海回遊魚が青魚とされ、多くが大衆魚です。
特有の生臭さと鮮度劣化が早いのが特徴です。
【調理のポイント】
臭み取りのため、流水で洗ったあとは、しっかり水分を拭きとり、焼く料理では、振り塩や立て塩で臭みの元を取り除いてから調理します。

煮る料理では、霜降りをしたり、隠し味に酢を使ったりして、臭みを抑えます。

 

 

 タイ・タラ・カレイ・フグなど
海底で回遊しないため、肉質が柔らかく、脂肪分が少なく、味が淡泊で低カロリーです。
加熱すると身が崩れやすいため、注意します。
【調理のポイント】
味が薄いため、魚の臭みが気になりやすく、下処理(塩振りや霜降り)をしっかりとします。