サ ケ

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 お魚屋さんのメッセージ

天然ものはサケ本来のコク、養殖ものは食べやすい脂のりを楽しもう!

 

 

 

 サケの概要と特色

 

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💠 サケは身の色が赤く見えるため、赤身魚と思われがちですが、白身魚に分類されます。
身が赤くなるのは、エビやカニにも含まれる眼精疲労の改善や動脈硬化の予防、疲労回復などが期待されるカロテノイド系色素のアスタキサンチンが含まれているためです。
💠 一般的に販売されるサケは、養殖サケとして銀ザケ、サーモントラウト、アトランティックサーモンと天然サケとして白サケの秋サケ、時サケ、紅サケですが、現在日本で食べられているサケの約8割は 輸入品の養殖サケです。
養殖サケは一年中売場に並びますが、天然の白サケは、季節の旬の時期にだけ販売されます。
天然の鮭には、寄生虫のアニサキスの危険性があり、そのまま生で食べることはできません。
一方、養殖サケは、チリやノルウェーの養殖場で徹底した管理の下で育てられるため、寄生虫の恐れがなく、それが空輸され、鮮度が保たれていることで、生で食べることができます。
又、養殖のサーモンは、天然ものに比べ適度に脂がのっていることや年間を通じて新鮮なチルドで安定的に輸入されることから、刺身としては、マグロに続く人気商品となっています。
💠 天然ものとして日本で漁獲される生鮭のほとんどが白サケで、養殖もののサケに比べ、身の赤色が薄くサッパリした味わいが特徴です。
白サケが、秋に北海道へ回帰する途中の沿岸で獲られたものを「秋サケ」や「秋アジ」と呼びます。
秋に旬を迎える秋サケは、産卵のために沿岸に返ってくるサケで、体の脂肪は、卵や白子を作るために使われていますので、養殖サケに比べ脂がのっていませんが、 サケ本来のうま味をしっかりと楽しめます。

 

 

 

 塩鮭のコト

 

塩

 

💠 塩鮭とは、塩がほどこされた鮭のことを言い、冷蔵技術や物流が発達する前は、塩をまぶして魚の保存性を高めていたため、塩抜きが必要なほどかなり塩味の強いものでしたが、塩分によって、鮭本来のうま味を引き出され、より濃厚な味わいになっていました。
昔ながらの「新巻鮭(旧名:荒巻鮭)」は、塩漬けして、低温で干すことで、発酵によりサケの持つアミノ酸がうま味成分へと変化し、結果として生サケにはない熟成・凝縮された風味を生み出されます。
💠 現在では減塩志向もあって、塩辛い塩漬けのサケではなく、「定塩」と呼ばれる塩水漬けの製法で作られた軽い塩味のサケが主流になっています。
業界では3%未満の塩分濃度のサケを「甘口」、3%以上6%満を「中辛」、6%以上10%未満のものを「辛口」と表記するルールとなっていますが、製造メーカーや店舗によって多少の違いがあります。
塩鮭は、そのまま焼いて食べる焼き魚以外にも、煮魚、鮭ご飯など様々な料理で楽しむことができます。

 

 

 

 

 

主なサケの種類と特徴

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  銀ザケ

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💠 概要
体長:約60cm
ほとんどがチリ産の養殖もので、冷凍で輸入され、サケでは最も輸入量が多く、一般的に、塩サケの切身で販売されています。
💠 特徴
身は濃いオレンジ色で、柔らかく、程よい脂のりとサケ特有の香りが、焼き魚・鍋に合います。
焼くと、箸でほぐしやすい柔らかさになり、冷めても硬くならず、お弁当にピッタリです。

 

 

 

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 アトランティックサーモン

   (大西洋サケ) 7

💠 概要
体長:約100cm
世界で最も食べられているサケ(養殖)で、日本でも銀ザケの次に輸入量が多く、ノルウェー産が約6割を占め、チルドで輸入され、刺身ほか様ざまな料理で使われます。
💠 特徴
肉厚の身は薄いオレンジ色で、とろけるような食感と脂の濃厚な味わいで、トロサーモンとも言われます。
刺身・ムニエル(焼きもの)・フライ(あげもの)から豪快なステーキまで贅沢なうま味を楽しめます。

 

 

 

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  サーモントラウト

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💠 概要
体長:約40cm
淡水のニジマスを海で養殖した魚で、主にチリやノルウェーから冷凍で輸入され、刺身用が主ですが、切身でも販売されます。
💠 特徴
身は鮮やかなオレンジ色で、プリッとしていて、程よい脂のりでさっぱりした味わいです。
魚嫌いの子供にも食べやすく、刺身やサラダによく使われますが、焼いてもジューシーです。

 

 

 

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  白サケ

(秋アジ/秋サケ/時サケ)7
💠 概要
体長:約65cm
すべて天然もので、国産が主流ですが、一部ロシアなどから輸入されています。
秋アジと呼ばれる国産のものは、秋から冬にかけて産卵のために戻ったサケを漁獲したもので、体脂肪が少なく、脂はのっていませんが、身が 締まっていて、サケ本来の風味があり、秋の味覚の代表です。
白サケでも本来の時期でない春~初夏の回遊中に漁獲されたものは、時サケ(トキシラズ)と呼ばれ、まだ成熟する前で卵や白子を抱えていない分、身に栄養が行き渡り、脂がのっていて、焼くと、身がふわっとしてジューシーですが、価格も高くなっています。
💠 特徴
白サケの身は淡いオレンジ色です。
秋サケは、塩漬けにして熟成させても脂焼けせず、長期保存( 新巻き鮭や山漬け)でうま味が増します。

 

 

 

 秋サケに合う料理

💠 秋サケは、脂肪が少ないため、油を使う料理も、くどすぎず、さっぱりと仕上がります。
バターマーガリン、チーズ、マヨネーズ、クリーム、卵との相性がとても良い素材です。
💠 時サケは、ムニエルやホイル焼きの他に「ルイベ(冷凍して半解凍した)」で刺身などがよく合います。

【代表的な料理】
チャンチャン焼き・ホイル焼き・石狩鍋・フライ・ムニエル・バター焼き・醤油炒め・ステーキ・炊き込みご飯身の赤色が薄くサッパリした味わいが特徴です。
あっさりしているため、しっかりした味付けの石狩鍋などによく合います。

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  紅ザケ

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💠 概要
体長:約70cm
すべて天然もので、アラスカ(アメリカ)、カナダなどから冷凍で輸入され、他のサケに比べ高価格です。
💠 特徴
身は深い紅色で、厚く引き締まり、適度な脂のりでサケ特有の風味を最も感じられるサケです。
塩サケで焼くと香りが良く、身はほぐれやすく甘味も感じます。
スモークサーモンの原料としても人気です。

 

 

 

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  キングサーモン

     (マスノスケ)
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💠 概要
体長:約100cm
天然ものもありますが、9割近くが養殖で、特に国内産は希少で、主にカナダ・ニュージーランドから冷凍で輸入され、高価格です。
💠 特徴
身はサーモンピンクで脂ののったものは白みがかり、サケ類の中で最も脂肪分が多く、おいしいとされます。
刺身、塩焼き、ムニエル、フライまで全てのサケ料理を堪能できます。

 

 

 

 サケに含まれる脂質

 

💠 サケは、種類や漁獲時期によって身に含まれる脂質の量(脂質率)が以下の通り大きく異なります。

 

💠 脂質率の目安

💠 アトランティックサーモン ………16%前後
💠 サーモントラウト    ………………15%前後
💠 銀ザケ    ……………………………13%前後
💠 時サケ    ……………………………12%前後
💠 紅サケ    ……………………………   5%前後
💠 秋サケ    ……………………………   4%前後

 

 

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💠 サケに含まれる脂質は食肉より多い種類が多いのですが、含まれる脂質の大半が多価不飽和脂肪酸で、中でも現在の本人に不足気味で摂取が求められる魚介類特有のオメガ3系のDHA、EPAが豊富です。

 

 

 

 

 

 

 

 幻のサケ鮭児(ケイジ)

 

鮭児は、本来、ロシアのアムール川に回帰する白サケが、日本の鮭の回帰に紛れて南下し、定置網で水揚げされてしまったサケです。
生後2~3歳で2~3kgほどの大きさにしかならず、卵巣、精巣が未成熟でその分、特有の臭みがなく、魚体いっぱいに非常に上質な脂がのっています。
鮭児は、筋肉中の脂肪の割合は20~30%と驚異的で、全身がトロのようなとろける味わいとなっています。
漁獲量は、普通の鮭が数万匹に対して1匹あるかどうかとされ、これが幻の鮭といわれている理由です。