生鮮食品

  表示原則

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1.生鮮食品とは?

 

食品表示基準では、食品のうち「加工食品」と 「添加物」以外のものが生鮮食品に該当します。 生鮮食品は加工食品と異なり、環境の影響によって品質が変化および劣化しやすいため、 お客様に安全・安心な食食品を提供するために、加工食品とは異なった食品表示が義務化されています。

 

 

生鮮食品の種類

 

1.農産物(きのこ類、山菜類及びたけのこを含む)

(1)米殻   (2)麦類   (3)雑穀  (4)豆類   (5)野菜   (6)果実
(7)その他の農産食品

 

 

2.畜産物

(1)肉類  (2)乳  (3)食用鳥卵  (4)その他の畜産食品

 

 

3.水産物

(1)魚類 (2)貝類 (3)水産動物類 (4)海産哺乳動物類 (5)海藻類

 

 

【生鮮食品に該当するもの】 

以下の状態のものが、生鮮食品に該当します。 

➊ 加工前のもの(魚まるごと、野菜まるごとなど)
 

➋ カットまたはスライスのみをしたもの
(刺身、スライス肉、1種類の野菜のカット野菜など)
 

➌ 単品のみのもの
 

➍ 同種混合
(キャベツと赤キャベツの千切り、豚ひき肉、メバチマグロの赤身と中トロの盛り合せなど)
※ マグロの場合、メバチマグロとキハダマグロなどマグロ類の盛り合わせたものも同種混合とされ、生鮮食品となります。

但し、素材が生鮮食品でも、以下のものは加工食品に該当します。

 

 

【生鮮食品に該当しないもの】
 

➊ 加工した食品
(カルビ焼肉、カツオのたたき、焼きいもなど)
 

➋ 生鮮食品と加工品の混合
(馬刺しとローストビーフの盛り合せ、マグロの刺身とゆでタコの盛り合せ、缶詰コーンとキャベツのサラダなど)
 

➌ 異種混合
(牛タンと豚タンの盛り合せ、牛豚合いびき肉、マグロとサーモンの刺身の盛り合せ、レタスとキャベツの混ざったカット野菜など)

 

生鮮食品扱い
加工商品扱い
切断前 単品 同種混合 異種混合 加工品を混 加工品
刺身 メバチマグロ赤身 メバチマグロ赤身

+メバチマグロ中トロ

メバチマグロ
赤身+ミズダコ(生)
メバチマグロ赤身+ゆでだこ ゆでだこ
カット野 野菜 キャベツ千切り キャベツ千切
り+赤キャベツ千切り
キャベツ千
切り+カットレタス+タマネギ千切り
キャベツ千
切り+カットレタス+コーン(加工品)
コーン缶詰
スライス 牛ロース 牛カルビ+牛ロース 牛カルビ+豚ロース 牛カルビ+牛塩タン 牛塩タン

 

 

 

 

 

 

2.生鮮食品の表示ルール

 

 

生鮮食品に必要な表示項目は大きく分けると、横断的義務表示と個別的義務表示の2つに 区分されます。 横断的義務表示とは共通して表示すべき事項です。名称、原産地は必ず表示しなければなりません。この他に必要に応じて、消費期限、保存方法、 使用方法、添加物などを表示します。 下記の表示事項に該当する生鮮食品ならば、それぞれ表示します。 個別的義務表示があるのは横断的義務表示のほかに、個別のルールにのっとった表示が必要になります。 

 

 横断的義務表示
7 

  ➊ 名称 ・ ➋ 原産地

  ➌ その他表示事項

  ・放射線照射に関する事項
  ・特定保健用食品である旨など
  ・機能性表示食品である旨など 
  ・遺伝子組換え農産物に関する事項
  ・乳幼児規格適用食品である旨
  ・内容量および食品関連事業者の名称など
   (計量法第13条1項に規定する特定商品で密封されたもの) 

 

 個別的表示のあるもの
 

  ・玄米および精米
・シアン化合物を含有する豆類
・しいたけ
・あんず、おうとう、かんきつ類、キウィー、ざくろ、すもも
西洋なし、ネクタリン、パイナップル、バナナ、パパイヤ
ばれいしょ、びわ、マルメロ、マンゴー、ももおよびりんご
・食肉(鳥獣の生肉に限る)
・生乳、生山羊乳および生めん羊乳  

  ・鶏の殻付き卵  

  ・水産物

  ・切り身、又はむき身にした魚介類であって生食用のもの

  ・冷凍食品のうち、切り身またはむき身にした魚介類を凍結させたもの
 ・ふぐの内臓を除去し、皮をはいだものならびに切り身にした

   ふぐ、ふぐの精巣およびふぐの皮であって、生食用でないもの  

  ・切り身にしたふぐ、ふぐの精巣及びふぐの皮であって、生食用のもの
 ・生かき

 

生鮮食品と加工食品の食品表示の違い
一般的に、加工食品は、製造や加工の工程を経て、食品としての本質が変化したり、新たな属性が加わったりすることから、消 費者は、その食品を一見しただけで は、原材料などの情報を得られません。
一方、生鮮食品は、流通過程においてそのような変化等がないことから、比較的容易に、その食品についての情報を得られ るこ とができます。 そのため、生鮮食品の表示義務は加工食品に比べて表示義務事項が少なく、シンプルです。
食品形態 製造(生産)場所 容器包装 表示項目
生鮮食品 生産場所以外で販売される場合

(仕入れたものやセンター加工のもの)

なし 名称、原産地等(一部限定される)
あり 名称、原産地、その他の義務表示(食品によって添加物、消費期限、保存方法等の表示も必要)
生産場所で直接販売される場合

インストアかこうのもの)

なし 適用対象外
あり 一部限定した項目のみ(摂取する際の安全性に関する表示
加工食品 製造場所以外で販売される場合

(仕入れたものやセンター加工のもの)

あり 加工食品の表示項目が適用対象名称、原材料名(添加物、アレルギー含む)、内容量、期限、保存方法、製造者、栄養表示等
製造場所で販売される場合

(インストア加工のもの

あり 名称、添加物、アレルギー、期限、保存方法、製造者等(一部限定)
製造場所で販売 なし 適用対象外

 

主な表示事項

💥名 称

🟩 生鮮食品の名称とは農産物、畜産物、水産物の一般的な呼び名のことです。 地域によっては農産物や魚介類の呼び名が異なったりする場合があります。 その地域での呼び名が一般的であれば、それを使用するとも可能です。一般的に、加工食品は、製造や加工の工程を経て、食品としての本質が変化したり、新たな属性が加わったりすることから、消 費者は、その食品を一見しただけで は、原材料などの情報を得られません。
一方、生鮮食品は、流通過程においてそのような変化等がないことから、比較的容易に、その食品についての情報を得られ るこ とができます。
そのため、生鮮食品の表示義務は加工食品に比べて表示義務事項が少なく、シンプルです。
 

 

💥 原産地

🟩 生鮮食品の原産地の表示は農産物、畜産物、水産物によって、表示の仕方が異なります。
 

🟩 国産の場合、農産物は都道府県名、畜産物は国産と、水産物は水域名または地域名を表示します。ただし、水産物は漁獲した漁船の船籍によって国産品か輸入品に分かれます。
 

🟩 畜産物は飼養期間がもっとも長い場所が主たる飼養地となり原産地となります。このため外国で生まれた畜産物を生体で輸入し、外国よりも長く国内で育てた場合は、国産品となります。
 

🟩 輸入した生鮮食品は原産国名を表示します。(USAなどの表記は不可、日本語で分かりやすく表示)
 

🟩 同じ種類の生鮮食品であっても、原産地が異なるものを混ぜ合わせて販売する場合は、その重量の割合が多いものから順に、原産地を記載しなければなりません。 

 

🍊🥕🥩 区 分 農産物 畜産物 水産物

 横断的

 義務表示

 事項

名 称 その内容を表す一般的な名称

 都道府県名

 〇 市町村名その他一般

    に知られている地名可

 国産である旨

 〇 主たる飼養地が

     属する都道府県名、

     市町村名

  その他一般に知られ

     ている地名可

  漁獲した水域名か

   養殖場がある

   都道府県名

 〇 水域名による表示

     が困難な場合は、

     水揚港名、または

     水揚港がある都道府県名可

〇 水域名に水揚港名、

     水揚港が 属する

    都道府県名の併記可

  原産国名

 〇 一般に知られている地名可

  原産国名    原産国名

   〇 水域名の併記可

容器又は包装に入れられた特定商品 内容量、食品関連事業者の氏名又は名称及び住所

 個別的

 義務表示

 事項

その他・

個別表示義務のあるもの

 〇 玄米・精米の原料

     玄米について

 〇 しいたけは、栽培

    方法を、原木栽培は

  「原木」と、床菌栽培は

   「床菌」と表示ほか

   〇 食肉に鳥獣の種類を

        表示ほか

 〇 冷凍を解凍したものは

    「解凍」と表示


〇 養殖したものは 

   「養殖」と表示ほか

 

 

 

 

3.表示方法について

 

 

販売形態などによる表示事項の違い

 

✅ 生鮮食品は、陳列台に野菜などを載せて販売 するバラ売りと、容器包装に入れてトレーパック などで販売する2つのケースがあり、販売形態によって表示すべき内容が異なります。

 

💥 バラ売りで販売する場合

 

 

🟩 生鮮食品を陳列台などに載せてバラで売る場合には、名称と原産地を表示した立て札などを食品に近い場所に掲示します。 野菜などをダンボールに入れたまま販売す ることもありますが、ダンボールに名称と原産地が表示されていれば、表示の代わりとみなされます。

 

🟩 バラ売りであっても、遺伝子組換え農産物や放射線を照射したジャガイモや 防かび剤を使用しているグレープフルーツなどは その内容を陳列用容器、値札、あるいは商品名を表示した札などに表示しなくてはいけません。  

 

 

💥 容器包装に入れて販売する場合

 

>

🟩 生鮮食品を容器包装に入れて生鮮食品を販売する場合は、消費者が最も見やすい箇所に表示ラベルなどを貼らなければいけません。 印刷文字の大きさは8ポイント以上の大きさの活字で表示します。

 

🟩 また、名称と原産地のほかに、消費期限、保存方法、使用方法などや添加物を使用している場合はそれを記載しなくてはいけません。

 

🟩 この他に、食肉に関しては景品表示法に基づく公正競争規約のルールがあります。  計量法で定められている特定商品を容器包装に入れて販売する場合は、内容量とそれを表記したものの氏名、住所を表示しなくてはいけません。

 

🟩 容器包装の形態等により、当該包装に直接表示することが困難な場合は、以下の箇所への表示をもって、容器包装への表示に代えることができます。

 

① 透明な容器包装に包装されいる等で、必要な表示事項が外部から容易に確認できる場合にあっては、当該容器包装に内封されている表示書

 

② 容器包装に結び付ける等、当該容器包装と一体となっている場合にあっては、当該容器包装に結び付けられた札、票せん、プレート等   

 

 

販売形態 表示を必要としない事項

 ○ 生産した場所以外で販売する場合

 すべての表示が必要です。
 ○ 生産した場所で直接販売する場合

 ○ 不特定若しくは多数の者に対して

  譲渡(販売を除く。)する場合

 ○ 名称
 ○ 原産地
 ○ 内容量
 ○ 食品関連事業者の氏名

  又は名称及び住所
 ○ 玄米及び精米に関する事項
 ○ 栽培方法(しいたけに限る。)
 ○ 解凍した旨及び養殖された旨

  (水産物に限る。)

 食品を摂取する際の安全性

 に関する表示事項について

 は義務表示となります。
(例)

 ○ 放射線照射に関する事項

 ○ 乳児用規格適用食品

  である旨

 ○ 食肉に関する事項 他

 ○ 生産した場所以外で販売する場合  ○ 放射線照射に関する事項

 ○ 乳児用規格適用食品である旨

 ○ 内容量、食品関連事業者の

  氏名又は名称及び住所

 ○ 個別に表示事項が定められ

  ている食品

 自主的かつ合理的な

 食品選択に関する表示

 事項については義務表示

 となります。
(例)

 ○ 名称

 ○ 原産地

 ○ 栽培方法

 (しいたけに限る。)

 ○ 解凍した旨及び養殖

  された旨

  (水産物に限る。) 他

 ○ 生産した場所で直接販売する場合

 ○ 不特定若しくは多数の者に対して

  譲渡(販売を除く。)する場合

   適用対象外  適用対象外のため、表示は

 必要ありません。

 ただし、これらの場合も、

 生食用牛肉のリスク表示は

 必要です。

設備を設けてその場で飲食させる場合