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 貝類

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 お魚屋さんのメッセージ

貝類特有の強いダシとそれぞれ固有の風味
低カロリーで必要な栄養素も豊富です。

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アサリ    シジミ   ハマグリ・ボンビノス貝 ホタテ貝     カキ

 

貝類の概要

 

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💠 日本列島の各地で多くの貝塚が見つかっていることからわかる通り、貝類は古くから日常的によく食べられていました。
売場に並ぶ主な貝類は、サザエやアワビなどの巻貝ではなく、アサリ、シジミ、ホタテ、カキ(牡蠣)などの2枚貝です。
💠 貝類の特徴としては、肉や魚に少ないアミノ酸の一種のコハク酸・グルタミン酸・タウリンといったうま味成分が豊富で、貝の味噌汁や貝汁はダシのうま味がとても強く味わい深いものとなります。
このうま味成分が貝の種類によって異なり、それぞれ特徴ある味わいとなっています。
💠 貝は海水に溶けているミネラルなどの栄養素を貝殻の中に閉じこめているため、ミネラル、タンパク質、ビタミンB群、カルシウム、鉄、亜鉛、カリウム、マグネシウムが豊富で、栄養価が高く、そして低脂肪の食材です。
タウリンは肝臓のコレステロール分解の促進や血中コレステロールを下げる働きがあり、心臓機能低下、高血圧症、肝臓機能の低下、動脈硬化を防ぐ役割を持っています。
💠 一方、毎年10月から翌年4月頃にかけて生カキ等の「二枚貝」が原因の食中毒が増えています。
二枚貝は、海水中のプランクトンをエサとするため、ノロウィルス等が濃縮される可能性もあり、時期によっては十分な注意が必要です。

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アサリ(浅利)

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💠「浅瀬であれば捕れる」ことが語源という説もあり、昔は全国各地の内湾の浅瀬で捕れました。
みそ汁の具、酒蒸しやスパゲ ティ、クラムチャウダー、韓国料理のチヂミなど幅広い用途に使えます。
💠 最も身近な貝で、良質のタンパク質、鉄分、カリウムやカルシウムなどのミネラルほか、うま味成分のコハク酸など様ざまな栄養素を含んでいます。
ただし、近年は埋め立てなどで国内産アサリは激減し、現在では9割近くが中国、韓国からの輸入ものとなっていて、そのうち約7割が中国産です。
💠 国内産のアサリの5割程度は、愛知県産となっています。
1年を通して食べることのできる「アサリ」ですが、旬は4~5月の春4~5月と9~10月の秋と言われています。
年2回の産卵期を前に、身入りがよくなり、うま味成分が増す月になります。

 

 料理のヒント

1️⃣  砂抜き    
➠ 砂抜きされた商品でも必ず家庭でも砂抜きをします。
  2~3%の塩水で、アサリ3分の2位浸る程度に張り、冷暗所に置いてできれば一晩、少なく  とも2時間ほどはそっとしておきます。

2️⃣  塩抜き(水から出して常温で放置)
➠ 砂抜きをしたアサリを新聞紙などの上に1時間放置
※ 空気にさらされて、さらにうまみ成分のコハク酸が増加します。

3️⃣ 加熱し過ぎない
➠ アサリの口が開いてからも加熱し続けると身が固くなり、縮んでしまいます。
※ 口が開いたら火を止めるか、アサリだけ取り出すようにします。

 

 急ぎの時、10分で砂抜きする方法

https://blog-imgs-163.fc2.com/s/i/t/sitteimasuka/ringo2.png 1️⃣  50℃のお湯をアサリがつかる程度に入れます。

2️⃣ お湯の中で、アサリの殻を擦り合わせて洗います。

3️⃣ 5分間浸けてそのまま放置します。

4️⃣ 水道水(流水)で貝同士をこすりつけて洗います。
※ 熱いお湯でアサリの呼吸が荒くなり、砂を吐き出します。
※ 熱過ぎても、長過ぎても失敗します。
    50℃・5分を厳守します。

 

 

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シジミ(蜆)

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💠 シジミは、全国の河川の河口など淡水と海水が入り混じる汽水域の砂底に生息しています。
各地で水揚げされ、又、韓国、中国、台湾などからも多く輸入されているため、一年中安定して売場に並びます。
国内の主要産地は、青森県、島根県、茨城県、北海道です。
夏の暑い時期は、栄養源としての「土用シジミ」、冬の寒い時期は、身がしまった「寒シジミ」として知られています。
💠 昔から『生きた肝臓薬』といわれるほど肝機能を活性化する栄養素を豊富に含んでいます。
近年は「オルニチン」が注目されていますが、その他タウリン・ ビタミンB2・鉄分など肝臓だけでなく、疲労回復・貧血予防や腰痛・肩こりの緩和などに効果的とされる栄養素も豊富で、特にみそ汁などで栄養素をまるごと摂取できることからとても栄養価の高い食材と言えます。
💠 シジミには、貝類特有のうまみ成分「コハク酸」が特に豊富で、そのため他の貝類以上にダシが出ますが、その分泥臭さやえぐみも強く、消臭効果のある味噌がよく合います。

 
 料理のヒント

💠 シジミの砂は体内ではなく、身と殻の 間に入り込んでいるだけのため、汁もの では、塩水に浸ける砂抜きをしなくても料理ができます。

1️⃣  シジミを砂抜きせずにそのまま熱に入れます。
  ※ ここで砂と一緒に栄養素(含むうま味)も汁の中に出ます。

https://blog-imgs-163.fc2.com/s/i/t/sitteimasuka/ringo2.png 殻が開いたら、別の鍋にまずシジミだけを移し、その後ゆで汁も砂が入らないように移し替えます。

3️⃣ 移し替えたゆで汁(ダシ汁)に味噌やしょう油で味付けしてみそ汁や吸い物を作ります。

 

 

塩水で砂抜きをしてうま味をUPする方法

1️⃣  海水よりも少し薄めの約1%の塩水で砂抜き
※ 水1Lにつき塩10g 
※ 真水ではうま味が流出します。

2️⃣ 深いボウルなどに浸けずに、シジミに水がかぶるくらいの深さのバットや皿にザルなどを載せてに広げ、新聞紙などをかけて少し暗い場所に置いておきます。

3️⃣ 常温で、夏場は3~4時間、冬場は5~6時間程度浸けます。
💠これにより、シジミが体内の浸透圧を塩水と同じ高さにするためにグリコーゲン等を分解し、うまみ成分を増やします。

 

 

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ハマグリ(蛤)

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💠 ハマグリは二枚の殻がぴたりと重なることから「夫婦和合」の意味で縁起が良いとされ、結婚式にハマグリのお吸物が出るのは、一生一人の人と添い遂げるようにという願いが込められ、ひな祭りなどの祝い膳に主に潮汁で出されてきました。
ハマグリ自体はほんのりと甘く上品な味で、ダシが濃厚に出て、磯の香りにあふれ、汁まで残さず飲むことで豊富な栄養素を摂ることができます。


💠 産卵期は5月から10月で、旬は産卵に向け身に栄養をたっぷりと貯める春先の2~4月で、ひな祭りには欠かせない食材となっています。
又、ハマグリは加熱しても身が硬くならず、大きなハマグリは焼きハマグリで濃厚なうま味を味わえます。
ハマグリは、東北以南の砂泥底に生息しますが、国内では激減し、現在7割以上が主に中国から輸入されるシナハマグリとなっています。
国内の主要産地は、鹿島灘のある茨城県で、国産の6割以上が漁獲され、熊本県、千葉県などが続きます。
💠 ハマグリは加熱しても硬くならず、大きなハマグリは焼きハマグリで濃厚なうま味を味わえます。
ハマグリは、アサリと同様に良質のタンパク質、鉄分、カリウムやカルシウムなどのミネラルほか、うま味を出すコハク酸などさまざまな栄養素を含んでいます。
ただし、ハマグリはビタミンB1を壊す酵素なども持っているため、必ず加熱して食べます。

 

 料理のヒント

 

1️⃣  砂抜き    
➠ 砂抜きされた商品でも必ず家庭でも砂抜きをします。

https://blog-imgs-163.fc2.com/s/i/t/sitteimasuka/ringo2.png2️⃣  塩抜き(水から出して常温で放置)

➠ 砂抜きをしたハマグリを新聞紙などの上に1時間放置
※ 体内に含んだ塩水を吐き出させます。
※ 空気にさらされて、さらにうまみ成分のコハク酸が増加します。

 

 

 

 

 

ハマグリに似た貝

 ボンビノス貝

 

💠 ホンビノス貝は、見た目がはまぐりによく似た別名「白ハマグリ」とも呼ばれる貝で、原産地はアメリカですが、現在は千葉県などで漁獲量が増え、味が良い上にに価格も手頃で、近年注目されています。
💠 はまぐりの大きさは一般的に7.5cmくらいですが、ホンビノス貝は横幅が5cmほどのものから10cmを超えるものまであり、大きさにバラつきがあります。
小さいものは身がふっくらとしていて柔らかい食感ですが、大きいサイズのホンビノス貝ははまぐりより肉厚で、しっかりとした歯ごたえを楽しめます。
また、ホンビノス貝はあまり砂をはかないため、砂抜きはほとんど必要ないとされています。
💠 ホンビノス貝は、肉厚な食感と濃厚な旨味があり、はまぐりとあさりの中間のような味わいです。口にすると潮の香りと貝特有の豊かな旨味が広がります。身が肉厚なため、火が通ってから固くなるのが早いのも特徴です。
💠 アメリカで定番のクラムチャウダーに入れると濃厚な旨味を感じられ、そのほか浜焼きや酒蒸し、お吸い物、パスタ、カルパッチョ、ピザなどの洋食メニューやラーメン、鍋やかき揚げなど、さまざまな料理の食材として活用されています。

ボンビノス貝      ハマグリ

 

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ホタテ貝(ホタテ)

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💠 濃厚な甘みとうま味が特徴で、誰にでも好まれ、和風・洋風・中華風問わず幅広い料理に活用でき、年間を通して店頭に並ぶ万能食材となっています。
💠 ホタテ貝はほぼ100%国産で、北海道から北東北を主産地とし、3~5年で出荷されます。
天然ものと養殖ものとがありますが、どちらも天然の海の栄養分を吸収しているため、味わいに差はありません。
又、卵の部分が赤いものが雌(卵巣)、 白い方が雄(精巣)ですが、味の違いはほとんどありません。
💠 アッサリとした割にコクがある理由は、貝類に多いうま味成分のコハク酸がアサリの10倍も含まれているからです。
さらに、甘味の強いアミノ酸であるグリシンが多いことで生でも加熱しても強い甘味を感じます。
特に、加熱することによって甘みと歯ごたえ、貝特有の香りがより引き出されます。

 

 

 

ホタテ貝の旬

 

💠 ホタテの旬は冬と夏の年2回あり、それぞれで違った味わいのホタテを楽しめます。


【夏のホタテの特徴】
ホタテは5~8月頃にも旬を迎えます。
夏のホタテはドンドンと貝柱を太く大きく成長させるため、BBQなどで焼きホタテにするのがお奨めで、甘みも強いため、お刺身でも
おいしく食べることができます。


【冬のホタテの特徴】
ホタテの産卵時期は春で、そのため12~3月の冬のホタテは産卵に備えて卵が大きく育っているのが特徴です。
冬は垂下式で養殖されたホタテの最盛期で卵がよく育った冬のホタテはうま味の強い出汁が出るため、煮物や汁物にピッタリです。
一方で、卵が大きくなるのと比例して貝柱は小さくなります。
ボイルホタテの原料は、通常2~3月の産卵時期のものが使われています。

 商品の種類

 ボイルホタテ
https://blog-imgs-163.fc2.com/s/i/t/sitteimasuka/ringo2.pngお湯で煮る(ボイルする)のではなく、蒸気でスチームした後、急速冷凍する方法で製造されており、ホタテのうま味が残っています。
貝柱だけのものと卵やヒモがついたものがあります。
生食用(食品衛生法に準拠)と加熱用があり、加熱用は必ず加熱して食べ、生食用はサラダなどにそのまま使えますが、両者に味の違いはありません。
又、生食用には生のまま急速冷凍し、刺身で食べることができる商品もあります。

 

 

 ホタテ貝柱
https://blog-imgs-163.fc2.com/s/i/t/sitteimasuka/ringo2.png貝柱だけを取り出し急速冷凍したものです。
適切に解凍すると生ホタテ貝柱とほとんど変らない風味を味わえます。
一般的には冷凍ものを解凍した商品が販売されていますが、時期によって生のものも出回ります。

 

 

  ベビーホタテ
https://blog-imgs-163.fc2.com/s/i/t/sitteimasuka/ringo2.png生後1年半程度の半成貝を、ボイルホタテと同じ方法で加工したものです。
生食用は小さいため、そのままサラダ用として、加熱用は、炒め物、カレーなどに便利です。

 

 

 

 干し貝柱
https://blog-imgs-163.fc2.com/s/i/t/sitteimasuka/ringo2.pngボイルした貝柱を乾燥させたもので、ツマミとしてそのまま食べることも、戻して食材としても
使え、その汁はダシとして使えます。

 

 

 

 貝ヒモ加工品
https://blog-imgs-163.fc2.com/s/i/t/sitteimasuka/ringo2.pngホタテの外套膜を燻製や塩辛などにしたものでお酒のツマミとして人気があります。

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カキ(牡蛎)

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💠 生ガキ~カキフライ・天ぷら~カキ鍋~カキご飯~カキグラタンまで、カキはサッパリした中に海のうま味が凝縮されていて、クリーミーなまろやかさがあり、加熱すると甘味が増し、プリン・ツルンとした食感がクセになる味ですが、強い磯の香りや独特の食感が苦手な方もいます。
日本で流通しているカキはほとんどが養殖の「真牡蠣(マガキ)」で、天然の「岩牡蠣(イワガキ)」もありますが、流通量は非常に少なく高価なものとなっています。
マガキは全国的に養殖されていますが、その生産量は広島県が6割以上を占め、宮城県、岡山県などが続きます。
💠 カキは亜鉛・鉄などのミネラルや、ビタミンB1・B2・B12などのビタミン類、タウリンなどのアミノ酸、グリコーゲンなどを豊富に含んでいる「海のミルク」と呼ばれるほど栄養価の高い食材です。
💠 カキなどの二枚貝は、特にノロウイルスによる食中毒に注意する必要があります。

 

真(マ)ガキ

https://blog-imgs-163.fc2.com/s/i/t/sitteimasuka/ringo2.png最も一般的なカキで、大きさは10×5cmぐらいになり、日本各地に天然ものも生息しますが、店頭に並ぶものはほとんど養殖ものです。
旬は11月中旬~4月上旬で、特に3~4月頃は身が大きくなります。
韓国からの輸入品もあります。

 

 岩(イワ)ガキ
https://blog-imgs-163.fc2.com/s/i/t/sitteimasuka/ringo2.png「夏ガキ」とも言われ、旬は6月中旬~7月中旬で、殻の色が茶色っぽく、マガキに比べて大きいものが流通します。
大きさは10×20cmぐらいで天然物と養殖物の両方がありますが、漁獲量は少なく、高価で生で食べるのが一般的です。

 

 

 

 

 

 産地の違い
広島県 VS 宮城県

 

https://blog-imgs-163.fc2.com/s/i/t/sitteimasuka/ringo2.png💠 広島県産は、大きい川が瀬戸内海に流れているため栄養が豊富で大きく育ちます。
💠 一方、三陸の宮城県産は外洋に向かって海が開けているため、海水が清潔で生食用に向いています。
味の違いも産地によって特徴があります。
💠 アッサリとしていて加熱用に向いているのが広島県産のカキです。
逆に三陸の牡蠣は、広島県産に比べ粒が小さいものの濃厚な味わいで生食に向いています。
💠 ただし、カキの味わいは養殖された海域によっても大きく異なり、同じ広島県産でも、海域によって味わいに差があります。

 

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   生食用と加熱用

 

💠 生食用の方が、鮮度は良いと思いがちですが、鮮度はどちらも同じです。
生食用は、ウイルスや菌がいない海域で育てられたものか、水揚げされてから一定の時間紫外線などで滅菌された海水で清浄されたりしたもので、様々な条件をクリアし、生のまま食べても食中毒を起こす原因菌がほとんど含まれていないカキです。
生食用は、水揚げ洗浄加工後、オゾンや紫外線で殺菌し、ノロウィルス等を不活性化することもあり、身がやせる可能性もあり、加熱用はこの処理をしていないため、カキ本来のうま味がそのまま残っています。

💠 従って加熱調理するなら加熱用の方がおいしいとされています。

 

 

   二枚貝の食中毒

 

https://blog-imgs-163.fc2.com/s/i/t/sitteimasuka/ringo2.png💠 主な食中毒の原因は二枚貝に共通するノロウイルス腸炎ビブリオによるものです。
💠 ノロウイルス・腸炎ビブリオともに加熱(85~90℃で90秒以上)することで死滅します。
生食した場合、体調が悪い時や疲れている時などにたくさん食べると発症することが多く、一旦感染してしまうと、その患者からの飛沫感染や手からの接触感染で瞬く間に広がってしまいます。
💠 ノロウィルスは特に冬場の1~3月がピークで、腸炎ビブリオは8~9月に多く発生しています。
そのまま残っています。